FPGAボード Cmod S7を導入してみた(1)
FPGAの入門として Cmod S7を導入してみみました。使い方に慣れてきたので開発環境の導入と開発手順の概要まで記載します。1.Digilent Cmod S7について
Digilent社から、Xilinx(AMD) FPGAを使用した様々なボードが発売されています。それぞれ、搭載FPGAや周辺回路が異なりますが、今回は最も小型・低価格のCmod S7を使用しました。秋月電子で9870円(税込み)と手を出しやすい価格です。-
搭載FPGA
Spartan-7シリーズ XC7S25-1CSGA225C
・LUT 14600
・フリップフロップ 29200
・ブロックRAM 1620 Kb
・XADC内蔵
周辺回路
・USB microA(シリアル通信、電源供給の他、書込みも可能)
・ボタン x2
・LED x4
・RGB LED x1
・フラッシュメモリ
2.Vivadoの導入
VivadoはXilinx社FPGAの統合開発環境です。スタンダード版(無償)と、エンタープライズ版(有償)があります。スタンダード版はサポートされるデバイスに制限がありますが、今回用いる素子はサポート範囲内です。また、使用期間に制限もありません。今回はスタンダード版を使用していきます。ダウンロードはこちら。AMDアカウントへの登録が必要です。 インストールまでの手順はこちらをご覧ください。
※インストールには約150GBの領域が必要なことにご注意ください(私は外付けHDを新たに購入せざるを得ませんでした)。Vivadoだけでもシミュレーション等で遊べるので、評価ボード購入前に動作確認されることをお勧めします。
3. 開発手順の概要
Vivadoでの開発手順の概要です。(1)Projectの作成
(2)必要なファイルの作成
・Constraints files (.xdc)入出力端子の設定などを記述したファイル
テンプレートはこちらからダウンロードできます。必要な個所のコメントアウトを外して使用します。
・Source files
回路のHDL記述で、Verilog, HDML, System Verilogが使用可能です。今回はSystem Verilogを使用します。
・Simulation files
シミュレーションのテストベンチ、テストベクタです。
(3)RTL解析
HDL記述の文法を解析し、回路構造が表示されます(4) Simulation
HDL記述等を基に動作シミュレーションを行います。毎回書き込んでデバックを行うと膨大な時間が掛かるため、有効活用することで効率よく開発できます。Vivadoでは以下の種類のシミュレーションが用意されています。・Behavioral simulation: HDL記述のみに基づくシミュレーション
・Post-Synthesis simulation: 論理合成後の回路に基づくシミュレーション
・Post-Implementation simulation: 配線後の回路に基づくシミュレーション